タップと、ひねりと、トビの関係

皆さまお好みでタップにR(曲線)をつけると思いますが、Rの違い(曲率の違い)やひねりの撞点がプレイやトビにどのような影響を与えるでしょうか?

結論

1.タップのRが大きいほど(曲率が大きいほど)、ひねりがおおきくなる傾向がある

2.ひねりの撞点を撞きに行った際、手玉にスピンが十分に乗らない場合、手玉はトビます。

詳細

タップはプレイに多大なる影響を与える為、その選択はとても重要です。

タップの素材の違いによって、パワー、ひねり量、打感などが変わるからです。

そして同じタップの素材であっても、タップの曲率(R)次第で、プレイに与える影響は異なってきます。

ここでは、タップのRが異なると何が起こるか見ていきます。

早速ですが、下図をご覧ください。

(a) タップにRをつけなかった場合(こんなことは普通ありませんが、考察の為)

(b) タップに適度にRをつけた場合

(c) (b)よりもタップにRをつけた場合

それぞれのタップで、同じ撞点を同じキュースピードで撞きに行った場合、何が起こるでしょうか?

答え)Rをつけて無いタップが手玉に接触した際(上図のa)、同じ時間帯において、Rをつけたタップはまだ手玉に接触しません (上図のbとc) 。なぜならタップの端が削られて丸くなっている分、手玉にタップが届かないからです。

このことから、タップにRをつけるほど、タップが手玉に接触するまでの時間がわずかに遅くなることが分かります

タップにRをつけたてのころ、打感に違和感を感じることがあるのは、単にタップと手玉の接触面積等が変わったみならず、タップが手玉に接触するまでの時間がわずかに変わったことによる影響も考えられます。

続いて下図をご覧下さい。

(d) タップにRをつけなかった場合(こんなことは普通ありませんが、考察の為)

(e) タップに適度にRをつけた場合

(f) (e)よりもタップにRをつけた場合

上図の黒破線はRをつけていないタップで手玉を撞いた際の接触点と手玉の中心を結んだ線です(d)。(e)&(f)を見て頂くと、赤破線は、Rをつけたタップの手玉との接触点と手玉の中心を結んだ線です。赤や線の方が黒破線よりも球の端の方に位置していることから、Rをつけるほど手玉の端をつくことになります

これらの比較から、タップにRをつけるほど、同じ撞点を狙ったつもりでも、わずかですが手玉のより端の方を撞くこととなり、タップにRをつけるほど、スピンがかかりやすい理由の一つと考えられます。

また下図をご覧ください。タップは同じRですが、撞点が異なった場合です。

ここで仮定を置きます。上図の(g)と(h)において、手玉を撞いた際、手玉が仮にトビを発生しないとします。つまり手玉はトビがない為、真っすぐに進みます(図中の黒矢印の方向)。

この時、赤色と緑色の矢印に注目下さい。赤矢印は手玉の接線方向の力でありこれはいわゆるひねり量にあたります。緑色の矢印は手玉の中心方向に向かう力です。この赤色と緑色の矢印の合力が黒色の矢印になります。

手玉がトビを発生させずに真っすぐ進むためには(黒色の矢印方向に進むためには)、赤色矢印方向の力が不可欠です。つまり手玉にひねりを乗せることが必要不可欠となります

更に手玉の端を撞くほど、ひねり量が必要なことが上図(g)、(h)の赤色矢印の長さの違いから分かります。

ここでもし、ひねりが手玉に十分に乗らなかったら何が起こるでしょうか?

下図をご覧ください。

上図の(i)は、(h)と同じ撞点を撞いてますが、仮に手玉にスピンが乗らなかった場合、赤矢印の量が少なくなります。

すると、赤矢印と緑矢印の合力は黒矢印ですが、赤矢印の量(ひねり量)が少なくなった結果、黒矢印が左斜め前を向いてます。つまり手玉は真っすぐに進まずにトビが発生している状況です

皆さま、誰もが経験があると思いますが、チョークをつけるのが不十分な状態でひねり撞点を撞きにいった際、カツッ!と音がして手玉が横に飛び出してしまった。いわゆるミスキューです。

この原因の一つは、手玉にひねりが乗らなかったために起こった現象と考えらえます。

ひねり撞点を狙う際は、チョークをっしっかり塗りましょう!!( ^ω^)

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